3/22/2011

武田邦彦先生に聞いてみた

福島原発事故の放射能のことだ。ニュースではヨウ素131が基準値の何倍でセシウム134と137が基準値の何倍検出されたとか、ヨウ素131は半減期が短くて8日だが放射性セシウムは30年だとか、そんな情報が断片的に報じられる。だが、検出量や半減期が今後自体の成り行きにどう関わる情報なのかは見えにくい。

そこで、今や「ほんまでっかTV」のレギュラーである武田邦彦先生に、以下のような質問をしてみた。

武田先生

ブログを読んで勉強させていただいております服部と申します。
わかりやすくタイムリーな解説をありがとうございます。

ひとつ質問をさせてください。

現在原発から放出されている放射性元素はどれもウランの崩壊によって生じた副産物だと理解してます。現在、制御棒を挿入したことによりウランの核分裂反応はすでに止まっているとすれば、次のように考えてよろしいのでしょうか。

  1. 副産物の放射性元素は、これまでに漏れたものと現在原発内に蓄積されている
    もの以上に、新たに生成されることはない。つまり放射性物質の全体量はもう
    確定している。

  2. ヨウ素131の半減期は放射性セシウムなどにくらべ極端に短いため、原子炉に
    現在入っている燃料棒以外の長期保存されていた使用済み核燃料棒内に残存して
    いる量は少ないはずである。

  3. 長期保存されていた燃料棒内から漏れる放射性物質はセシウムなど半減期の
    長いものの比率が多くなるはずである。

  4. 現在漏れているヨウ素131は主に原子炉内の燃料棒由来である。

  5. 長期的に見ると放射性のセシウムやストロンチウムなどの漏洩量が環境影響
    を考える意味で重要である。
果たしてあの原発には、MAXでどれほどの量の放射性セシウム、ストロンチウムが見積もられているのでしょう???
服部


数分もしないうちに先生から返答をいただいた。
まさにその通りなのです。現在少しずつ放射線量等が出ていますが、実は原発が事故を起こした時にどのくらいの放射性物質が出るかということを予想ができるのですが、今のところテータがちょっと不足していて、わたくしの方では、なかなか正確な数字が出ませんが考え方としては全く正しい考え方です。しかしこのような収支計算のようなものはなかなか一般的ではないようです。 武田邦彦 中部大学




武田先生のブログでは、今回の事故とそれに関わる報道についての有益なコメントがまとめられている。


4月28日 追記-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-

4月9日のasahi.comの記事によれば、停止直後の原子炉には5,900,000TBqもの放射能があったという。そのうちの9割が放射性ヨウ素だ。テラベクレルは1,000,000,000,000ベクレルなので、5.9 x 1018 Bq。10の18乗!

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