12/18/2013

徳田虎雄はスティーブ・ジョブズだ。

青木理氏の著した「トラオ」を読んで、この人物の偉大さに感銘を受けた。

この人、人生のすべてを病院建設による医療の普及に賭けている。もうその目的達成のためなら、どんなことをしようと全て善であり、自分はその使命を全うするための特別な存在なんだと思っている。そのあたりの変人ぶりは、スティーブ・ジョブズにイメージが重なる。

徳洲会病院の24時間オープン、個別報酬一切拒否のポリシーは、既得権益を守ろうとする医師会をはじめとする守旧団体から激しい抵抗を受け続けている。しかし、患者の立場からすれば、トラオの徹底的な旧来秩序の破壊活動がなければ良質な医療をどこでもうけられるようにはならなかった。

選挙違反? そんなことは小さい話で、彼の志のほうが断然大きい。都知事が吹っ飛ぶような金が乱れ飛ぼうと、トラオの偉業にたいした傷はつかないのだ。

スティーブ・ジョブスが若くして世を去ったように、天はこのような偉大な人物に過酷な運命を用意している。「命だけは平等だ」が彼の根本理念だが、人生はなんて皮肉なんだろう。

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