1/28/2016

El Capitanにしたらログイン後に面倒なことを言われる

たいていOSをアップデートすると動かなくなるアプリやらドライバーやらが出てきて面倒なものだが、メインのMac Pro をYosemiteからEl Capitanにしたら、やっぱりログインのたびに変なアラートが出るようになった。

最初は「SXUPTP.kextが古くて互換性がない」っていうメッセージ。「どうしなさい」という指示を出さないので自分でなんとかするしかない。

/System/Library/Extension の中に当該ファイルは発見したが、これがなんのドライバーなのかわからない。ググってみたら出所情報がズバリ書かれてはいなかったが、どうやらsilexのUSBをネットシェアするアダプターのドライバーらしいことが分かった。silexのサイト見たらまだ対応してないらしいので、単純にゴミ箱に入れた。

もうひとつがこれ。「"CS4ServiceManager"を開くには」って言われても、もともと開くつもりはないっつーの。まぁ、CS4というのはAdobeのやつだなというのは察しがついたが、今まではこんなものがバックで自動で動いてたのか。もはやCreative Cloudの時代にCS4は2世代前のものなので、ぜひとも退治しておきたいと思うのだが、こいつどこにいるの?

調べてみたら、/Library/LaunchAgents の中に"com.adobe.CS4ServiceManager.plist"っていうのがあって、こいつがCS4ServiceManagerを起動させようとしているということがわかった。まずはこのファイルをゴミ箱へ。そして、CS4ServiceManager本体は、/Library/Application Support/Adobe の中にあるのがこのplistの記述でわかったので、そのフォルダーを探ってみたら、なんだかAdobeの歴代のソフトの残骸がたくさんあった。

どうしていいかわからなかったけど、とりあえず"CS4ServiceManager"フォルダーはまるごとゴミ箱に入れた。他のものには手をつけなかったけど、使いもしないアプリがバックグラウンドで動いていたら嫌だな。でもそれを探りだすのもまた面倒。

とにかくこれで、一応面倒なことを言ってくるものの退治は終わり。

ところで、OS Xには"Library"というディレクトリーが3箇所にあって紛らわしい。

/Library
/System/Library
/User/{user name}/Library

そして、Finderでの検索範囲を「このMac」のままにしていると、Library配下のファイルは見つけてこないみたいだ。

1/24/2016

「ふじ」って何だ??

法要関係の話でもうひとつ。義父の先祖代々のお墓があるのは三重県で、菩提寺になる浄土宗の寺で法要をする際にお布施などを用意してたのだが、親戚の家で「ふじ」なるものを初めて聞いた。法要に出る人たちが100円くらいずつ出して、紙に「ふじ」とかなで書いたあとに名前をつらねて住職に提出するものだそうだ。お経のときにその名前を読み上げていた。

しかし「ふじ」なんて初めて聞いた。同じ寺でやった法要でも以前には記憶がない。「諷誦」と書くらしい。これまでこういう風習は聞いたことがなかったのでかなり戸惑った。施餓鬼供養と関連するものらしいが、それで坊さんの歌の中に施餓鬼供養のお経や呪文が入ってたのか。

親戚の家では「坊さんに布施をあまり多く渡すと、お経が長くなるのでかなわんぞ」と言ってたけど、今回「ふじ」の分だけ明らかに長くなってたように思う。


1/18/2016

浄土宗の法要で坊さんが歌う歌

いろんな法事に出席してお経を聞くけれど、お経が読み進められるなかで坊さんが突然歌い出してびっくりすることがある。妻の父方が浄土宗なんだが、そこの法事でも毎度坊さんが歌う。こういうのって、楽譜があったりレコードがあったりするするわけではなさそうで、ネットで調べても全貌がわからない。口伝による歌詞や節回しなのだろうか。せっかくだから録音記録してYouTubeに公開してみた。すると、ぼちぼちとアクセスが増えている。気になっている人はいるんだな。

録音の聞き取りをしながらネットで調べて、歌詞もほぼわかった。和讃とお経が入り混じったもので、途中、施餓鬼の呪文みたいなものまで入ってる。註釈をつけて以下に記しておくので、試聴の参考にしてほしい。興味あればの話だけど。


今なお尽きぬ母の恩
在りしあの日の面影を
胸にいだきて手を合わせ
心をこめて手向けなん

南無阿弥陀仏の阿弥陀仏
【「光明摂取和讃」として違うメロディで歌われる場合がある】
人のこの世は長くして
変わらぬ春と思いしに
無常の風は隔て無く
儚き夢となりにけり 
弔うところの精霊は○○○○○○○○ 【故人の法名が入るので、録音ではカットしてある。】
追善増上菩提
南無阿弥陀仏 阿弥陀仏 
【ここでいきなり施餓鬼関連のお経が入ってくる。
甘露門というらしい】
若人欲了知
三世一切仏
応観法界性
一切唯心造 
南無常住十方仏
南無常住十方法
南無常住十方僧
南無本師.... 【「南無本師釈迦牟尼仏」というのが一般的だがそう聞こえない】
南無大悲観世音菩薩
南無啓教阿難陀尊者 
神咒加持浄飲食 布施恒沙衆鬼神
願皆飽満捨慳心 速脱幽冥生善道
帰依三宝発菩提 究竟得成無上覚
功徳無邊盡未来 一切衆生同法食 
曩莫 薩嚩 怛佗蘗多 嚩嚕吉帝 唵三婆羅 三婆羅吽
(のうまく さらば たたーぎゃーたー ばろきてい おんさんぱら さんぱらうん)
【3回繰り返し。食物が無限に生じる呪文】 
【ここも「光明摂取和讃」】
熱き涙の真心を
御霊の前に捧げつつ
在りしあの日の思い出に
面影偲ぶも悲しけれ 
海より深き母の愛
情けをうけて人の世に
別れは一度と知りながら
面影偲びて廻向せん 
【「霊まつり和讃」に似た部分がある】
本日にここに.... 【聞き取り不能。】
父と母とに手を合わせ
七世の父母の恩徳を
念仏唱えて感謝する 
これぞ真の孝の道
南無阿弥陀仏の阿弥陀仏 

【「開経偈」と呼ばれる偈文】
念念思聞浄土教
文文句句誓当勤
憶想長時流浪苦
専心聴法入真門


ちなみに、ウチは真宗高田派。

1/13/2016

浅草のお座敷で芸者あそびを体験した

お座敷の宴会で芸者を呼ぶなんてことは、庶民にはまったく縁がなくて、むしろ外国人観光客の方がそういうツアーがあったりするんじゃないかと思ってたが、友人が浅草の企画屋さんのチラシを見つけてきて、ひとり2万円で経験できるとのこと。すぐさま妻と二人、10人定員のその催しに応募した。もちろん、誘ってくれた友人夫婦もいっしょ。

2015年12月11日、11名が集まって、浅草割烹福八に向かった。半分以上、女性。4人の芸者さんがお酌をしてくれて、わりと普通な感じで宴会が始まった。

江戸〜明治のお座敷の雰囲気を再現してみようという趣向で、途中からは部屋の電気を全部消してろうそくの灯だけにする。... むむ、料理もなにも見えない。おちょこにお酒をついでもらっても、こぼしそう。昔はこんなに暗かったのか?? いや、ろうそくの位置が低すぎるんだろう。昔の料理はひとりひとりのお膳に出てたんだろうし、ろうそくのほの暗さでも上から照らされれば手元は見えるはず。

ろうそくの光でみると、芸者さんの白塗りが美しい。蛍光灯のもとでは、ただひたすらに白い顔なのが、ろうそくの温かみのあるほの暗さの中では最高に映えて艶っぽい。



お酒がすすんだところで、金屏風の前での唄と踊りを楽しむ。昭和の前半くらいまでの旦那衆は、労働者がうるさい居酒屋で焼酎あおっている間にこういう楽しみ方をしてたんだな。庶民がくだ巻いてそこらにくたばっているころには、ほろ酔いで吉原か。優雅なもんだ。

唄と踊りは4つの江戸端唄。「並木駒形」「辰巳よいとこ」「浅草名物」「騒ぎ」。踊りもよかったけど、紫沙さんの唄と三味線に圧倒されてしまった。... うまい ... かっこいい! その名演をYouTubeで2曲お届けします。



ひとりだけ白塗りしてなかった地方の紫沙さん(下の写真 左)。あとでネットで調べてみたら、この紫沙さん、なんと芸大卒。なんだかいろんな肩書きももっている凄腕アーティストで、すっかり魅了されました。




歌と踊りを堪能したあとは、芸者さんとお遊び。「こんぴらふねふね」にあわせて、托子を取り合い、負けたほうが一杯飲む。友人は2秒で負けてたな。芸者さんは熟練してるんで、単純なゲームでありながら全く勝てない。

そのあとは、新婚夫婦がいちゃいちゃする小芝居「新所帯」。これを夫婦でやらされる。男だけの宴会だと妻役を芸者さんがやるんだろうけど。なんだか、型にはまったものなんだけど、たまらなく楽しい。

新所帯
馴れぬ竈に生薪くべて
『煙いなぁ』
『だって燃えないんですもの』
叱らず教えて アラ 頂戴な
ほんにまた あなたは罪な人



なんやかや、酔って大笑いして盛り上がって、あっという間に2時間。おひらきとなりました。裕福な商家の旦那になりたいなぁ。

4/27/2015

それでもまだ プロ向けビデオフォーマット 2.0.1.0 をインストールしろと言う

Appleのサポートが回答した対処法を試しても効果がない場合、Pacifistというシェアウェアを使用するしかなさそうだ。20ドルするが無料で「お試し」もできるので、支払いはこのツールで解決できてからでもいい。


まずはとにかく試してみる。手順は次の通り。


  1. Pacifist.appをダウンロードしてアプリケーション・フォルダーにインストールする。
  2. Appleからビデオ・コーデック2.0.1(ProVideoFormats.dmg)をダウンロードする。
  3. ダウンロードしたファイル:ProVideoFormats.dmgをマウントする。
  4. Pacifistを起動してパッケージ・ファイル(ProVideoFormats.pkg)を読み込む。
  5. 表示されるリストから、トップの項目:"Contents of ProVideoFormats.pkg"をクリックして選択し、左上の「Install」ボタンをクリックする。
  6. 「Install entire contents of "ProVideoFormats.pkg"?」と表示されたら「Install」ボタンをクリックする。(パスワード入力が必要) 上書きはすべて許可する。
  7. インストールが終了したら、Pacifistを閉じてディスク・ユーティリティを立ち上げ、起動ディスクのアクセス権の修復を行う。
  8. 再起動する。

Appleのサポートの手順の問題点は、このアップデートのインストール先のうち/Library/QuickTime/というフォルダーしか対処していないことらしい。アップデートのファイルは、それ以外の場所、たとえば/Library/Application Support/ などにも書き込みを行おうとするようで、そこがエラーになっているとアップデートのやり直しをしようとする。さらに、ファイルのアクセス権もおかしいみたいだ。

コーデックのアップデートについては、前回も同じような問題が発生していたようで、このあたりのQAがいいかげんなようだ。


2015/5/1 追記
情報によれば、どうやらAppleが手直ししたインストーラーをリリースしたようだ。ただし、アップデートの表示上は全く同じなので、見かけ上またアップデートが繰り返したように見える。本当に手直しされているのかは、しばらくしてみないと判断できない。

4/26/2015

プロ向けビデオフォーマット 2.0.1.0 が繰り返しインストールされる

2015年4月にリリースされた、OS Xのビデオ・コーデックのアップデート「プロ向けビデオフォーマット 2.0.1.0 」が、Yosemite (10.10.3)に何度インストールしても繰り返しMac App Storeのアップデートに現れる。インストール済みが並ぶばかりで、きりがない。


調べたところ、【ここ】に同じ症状の対処方法が書かれていた。2通りの解決方法が示されているが、Appleのサポートへの問い合わせに対するオフィシャルな解決方法が次のとおり。


  1. デスクトップなど、任意の場所に新規フォルダーを作成し、/Library/QuickTime/ (日本語表示の場合/ライブラリ/QuickTime/) 以下に含まれるすべてのファイルをそこに移動退避させる。(QuickTimeフォルダーを開いてから編集メニューで「すべてを選択」、移動は⌘キーを押しながらドラッグ・アンド・ドロップ。)パスワードの入力が必要。
  2. App Storeのアップデートで、アップデートを実施する。
  3. アップデートが完了したらシステムを再起動する。
  4. 再び/Library/QuickTime/フォルダーを開くと、新たなファイルがインストールされているので、退避させておいたフォルダーから、重複しないもの(Flip4Macなど、過去にインストールしたものによって1〜2ファイルから数ファイル)を戻し入れてやる。

この作業後、しつこいアップデートはされなくなる。

この方法でまだ解決しない場合、Pacifistというシェアウェアを使ってインストールするやり方があるので、次のエントリーに記述する。


4/09/2015

消えない請求画面の駆除

Windowsユーザーが罠にかかると、消しても消しても表示されるこういうヤツ:


駆除を頼まれたのでなんとかやっつけた。(Windowsってほんと難しい。みんなMacにすればいいのに。) 予想より手強かった上にネット上の情報もまとまっているものがなかなか見つからなかったので、一応記録しておくことにする。

手順はおおまかに次の通り。

  1. 現在動作しているタスクを殺す
  2. msconfig.exeでスタートアップの設定を消す
  3. タスク・スケジューラーの設定を消す
  4. regedit.exeでレジストリーの怪しいエントリーを検索して消す
  5. リブート

最初に、事の顛末を長々と書く。書きたいのだからしょうがない。駆除の実際の作業は最後にまとめておくので、一刻も早く駆除情報として参照したい方はダイレクトにそちらを読んでもらいたい。


被災状況

「変な脅迫的な請求画面が出て、消そうとすると登録完了したから8万5千円払えと表示される。画面を閉じても再起動しても、同じ請求画面が出る。なんとかならないか?」という助けを求める声に応じ、実際のパソコンを診てみることにした。

OSはWindows 7、立ち上げるといきなり右下に標準的なウィンドウの枠のない登録料請求の画面が表示される。右上の「閉じる」ボタンをクリックするとInternetExplorerが開き、「アダルトスカイ 登録完了」と表示される。そのときのURLが「***.itponagt.me/*******」というようなものだった。この画面を閉じようとすると「移動を許可するか」とかなんとか、いろいろわけわからんことが書いてあるアラートが表示される。許可するとブラウザーは閉じることができるが、しぱらくたつとまた最初の請求画面が表示される。


最初の分析

これは何か常駐型のマルウェアがスタートアップに仕組まれたに違いないと思って、タスク・マネージャーを起動して動作しているプログラムを調べたが不審なものがない。そもそもアンチウィルス・ソフトが入っているので、そいつがなんのアラートも出さなかったのも不思議な点。

そのうちに、また例の請求画面が立ち上がるとMS-IE、つまりInternetExplorerが起動されたことがタスク・マネージャーの画面をみててわかった。あの、標準ウィンドウの枠がないポップアップの正体はInternetExplorerだったのか!

最初、「マルウェアの実体はInternetExplorerで、不正請求画面を表示するファイルを読み込ませて立ち上げる設定がスタートアップに仕組まれている」と推理した。


ググって調査

Windows 7 のスタートアップがどう設定されるのがもよく知らないので、この推理のもと、グーグルで色々と調べてみた。すると、このマルウェアはWindowsの正規プログラムであるmshta.exeを悪用するタイプのものであること、読み込まれるのは.htaという拡張子のファイルであること、.htaはJScriptを含むウェブ・アプリケーションのファイルであることなどがわかった。

なるほど、Windowsの正規プログラムだからアンチウィルス・ソフトで検知できないわけか。

また、スタートアップの設定を見るにはmsconfig.exeを起動すればよいというのもわかった。

一方、このマルウェアへの対処方法として「感染前の復元ポイントに状態を戻す」ことを推奨する記述が多い。しかし、それだとマルウェアの正体を見ることなく、しかも復元ポイント以降、ある程度のデータの犠牲を覚悟しなくてはならない。その対処方法はいただけない!

ただし、正面からこのマルウェアに対峙する場合、レジストリーをいじることにはなりそうだ。


msconfig.exeでアタック

msconfig.exeを起動する。スタートアップのタブをクリックして内容をチェックすると、いた! mshta.exeにhttp://xxx.itponagt.me/****を読み込ませる設定がふたつ。まずは単純にこれを無効にして再起動してみる。すると、まだ請求画面が表示される。msconfig.exeで確認すると、消した設定が戻っている。戻っているというより、無効にした設定とは別に再度同じ設定が追加されている。msconfig.exeだけで駆除するのは無理だ。


レジストリーを調べてみる

さらにregedit.exeを起動してレジストリーの HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run と HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run を覗いてみると........
いたいた! 例のmshta.exeの設定。

msconfig.exeで設定を無効にした上で、このレジストリーのエントリーを削除して再起動してみた。すると請求画面が表示されない!

やった、これで駆除完了。と思いきや、しばらくたつと請求画面がまたまた登場。で、msconfig.exeで確認すると...  もとに戻ってる! レジストリーも...  やっぱりまた消したはずのエントリーがある!

これはどうやらレジストリーに書き戻すプログラムが動いているらしい。


タスク・スケジューラーでアタック

またグーグルで調べてみると、タスク・スケジューラーに怪しいエントリーがあるかもしれないとのこと。かなり詳しいことがトレンド・マイクロのブログに掲載されていた。早速コントロール・パネルの管理ツールからタスク・スケジューラーを起動する。怪しいのは... SystemBootとRegWriteというふたつ。10分毎にレジストリーにmshta.exeの設定を書き込んでいるらしい。

早速、ブログの記述に従ってこれらを削除。msconfig.exeでスタートアップを無効にし、レジストリーから 〜\Run の中の該当エントリーを削除して、再起動。今度は?.....  まだ出る!さらに、タスク・スケジューラーにSystemBootとRegWriteが戻っている。なんと、トレンド・マイクロのブログの手順でもまだ駆除できない!


レジストリーを徹底調査

それでも何だかだんだんとわかってきた。設定を書き戻す仕組みはレジストリーのエントリーにあって、そのエントリーにはSystemBoot、Regwrite、mshta.exeが必ず記述されているに違いない。特に、SystemBootもRegWriteも引数にmshta.exeという文字列があるので、とにかくmshta.exeでレジストリーを検索して、怪しいエントリーを削除すればよさそうだ。


レジストリーに挑む

例によってMS-IEのタスクを殺し、msconfig.exeでmshta.exeのスタートアップを無効化。さらにタスク・スケジューラーでSystemBootとRegWriteをライブラリーから削除。

そしてregedit.exeで"SystemBoot"を検索すると HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Msconfig\StartupregにSystemBootとRegWriteのエントリーを発見。これらを削除。さらに"mshta.exe"で検索すると、 HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run と HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Runに加えて、他の数カ所にもmshta.exeにhttp://xxx.itponagt.me/****を読み込ませる設定を発見し、すべて削除。

ただし、引数にhttp://xxx.itponagt.me/****がないものは、もともとWindowsの正常な設定であると思われるので削除しないように気をつける。

さて、祈りながらリブート。...... よしっ、今度は出てこない。しばらくしても大丈夫。

ふー、駆除完了!




消えない請求画面駆除のまとめ

まず、ここに書くことはWindowsの骨組み、レジストリーをいじるので、ヘタすればWindowsが起動しなくなる。筆者は責任負えないので、そこはくれぐれも自己責任・要覚悟ということで。あと、筆者はWindows 7以外でこの手順が有効かどうかも知らない。たぶん、同じようなものだとは思う。

  1. 現在動作しているタスクを殺す
    Windowsを起動して請求のポップアップが表示された時点で動作しているのはMS-IE、つまりInternetExplorer。ctrl-alt-delキーでタスク・マネージャーを立ち上げて、当該プログラムを強制終了する。とりあえず、ポップアップは消える。

  2. msconfig.exeでスタートアップの設定を消す
    Windowsの起動時に請求のポップアップが表示されるのは、スタートアップにmshta.exeが設定されているから。この設定を無効化する。msconfig.exeを立ち上げて、スタートアップ・タブをクリックすると表示されるリストの中から、mshta.exeと記述されているもののチェックを外す。(mshta.exeには****.htaファイル、あるいはhttp://からはじまるURLが引数として渡されるようになっている。)

  3. タスク・スケジューラーの設定を消す
    スタートアップの設定を消しても、しばらくすると請求ポップアップが再び現れ、消した設定が元通りになってしまうのは、タスク・スケジュールにSystemBoot、RegWriteが設定されており、一定時間毎にスタートアップやレジストリの設定を修復してしまうから。コントロール・パネルの管理ツールからタスク・スケジューラーを立ち上げ、SystemBoot、RegWriteのエントリーをライブラリーから削除する。

  4. regedit.exeでレジストリーの怪しいエントリーを検索して消す
    タスク・スケジューラーのSystemBoot、RegWriteのエントリーを消しても、Windowsを再起動すると再び請求ポップアップが現れ、スタートアップもタスク・スケジュールも修復されてりまうのは、レジストリーにまだ設定が残っているから。なので、レジストリーの中を徹底的に潰す。regedit.exeを立ち上げ、まず"SystemBoot"で検索する。すると、HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Msconfig\StartupregにSystemBootとRegWriteのエントリーが見つかる。これらを削除。続いて"mshta.exe"で検索する。HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Runをはじめとして、〜\RunOnceなど、複数箇所に***.hta、あるいはURLを引数に持つmshta.exeの怪しいエントリーが引っかかる。これらを削除。ここで重要なこと。mshta.exeはWindowsの標準機能なので、「怪しくない」mshta.exe関連のエントリーも検索に引っかかる。怪しい引数を持たないものは削除してはいけない。怪しいか怪しくないかは、引数に使われている***.htaファイルやURLで判断できる。

  5. リブート
    すべてのプログラムを終了させて、Windowsを再起動する。
最後の最後に、このマルウェアを埋め込んだ犯人であるファイルも削除しておく。ダウンロード・フォルダーを開いて、MovieID*****.htaというファイルがあれば、おそらくそいつが犯人だ。以後、間違って起動しないように、当該ファイルをゴミ箱に入れる。

以上で駆除完了。


このマルウェアは巧妙で、登場以来、進化を続けているらしい。なので、ここに記述した手順だけで駆除できない場合もあるかもしれない。しかし、mshta.exeを使っているということがわかれば、レジストリー内に仕掛けられた設定を追って潰してくのは同じではないかと思う。

まぁ、そもそもmshta.exeなんてマルウェア転用できるツールを、MS自らが提供していること自体に驚く。mshta.exeの悪用がさらに進化して、個人情報を持って行かれたりすることはないんだろうか?

このようなアンチウィルス・ソフトが役に立たないマルウェアを、一般のWindowsユーザーが駆除するのは難しい。家の共有パソコンや、会社のパソコンでこの罠に引っかかったら目も当てられない。請求の内容が内容だけに人に相談できず、脅迫に負けて自ら個人情報を明かした上に支払いをしてしまうかもしれない。

サギ野郎に支払いをしてしまうくらいなら、8千円強をトレンド・マイクロに支払って「おまかせ!不正請求クリーンナップサービス」を受けるのが早そうだ。