7/04/2016

馬込の凶暴なやぶ蚊との戦い

ウチはやぶ蚊の産地?


夏場、ウチにはやぶ蚊が多い。凶暴で、しかも数が尋常じゃない。ちょっと外に出ただけで、ぶわーっと寄ってきてあっという間に血を吸われる。貧血になるくらいだ。

そもそも、ウチの裏は江戸時代からの墓地だ。まだ馬込一帯が農地だった頃、地元の有力一族だった家が畑の一角につくった墓地で、今でもゆかりの方がお墓参りにみえる。墓地といえば花入れや水入れはつきもの。そこに梅雨に水がたまればボウフラの格好の孵卵器となる。

馬込はもともと湧水のたくさんある土地だった。四、五十年前、このあたりの畑のわきにはどこも水が流れていて、ザリガニやらヤゴやら、いろんな生物がいたものだ。しかし、そういう場所にはボウフラの天敵もうじゃうじゃいるので、そんなに蚊は発生しない。しかし、裏の墓のちょっとした水たまりはボウフラ天国で、たっぷり栄養をとって立派に凶暴なやぶ蚊となる。

そんなわけで、ウチにやぶ蚊が多いのはもう昔からなので、これは避けがたいこと、せいぜい外で蚊取り線香でも炊くしかないぐらいに思ってた。


昔よりやぶ蚊多くねぇか?


でも、ちょっと多すぎないか、やぶ蚊? 子どものころ、いくらなんでもこんなに刺されまくってたっけ? と、去年ふと疑問に思った。確か、夏でも庭に出てよく遊んでたし、その当時、蚊よけスプレーとかなくても大丈夫だったぞ。

よくよく観察してみると、裏の墓の水たまりは夏の間カラッカラに乾いている。近所の樋が詰まってるのか? いや、それもカラッカラだ。まわりに水たまりらしきものがない。

いや、あった! 道路の排水舛だ。いつでも水がたまってる。そういえば、下水管が整備される前、このあたりに側溝、つまりドブはあったが水がたまっていることはなかった。なるほど、こいつが発生源だったわけだ。こういうところにはトンボが入れないからヤゴはいないし、当然魚もいない。ボウフラ天国じゃないか。


殲滅作戦を考える


出てきた蚊を退治するのはきりがない。やつらの生息範囲すべてにキンチョールを撒くわけにはいかないし、おそらくはエアゾールが届かない。とにかくボウフラのうちにやっつけるのが有効なので、そういう殺虫剤を調べてみた。

ありました。「デミリン発泡錠」。こいつは昆虫が幼虫の頃、脱皮して成長するのを阻害する薬で、しかも鳥、動物、魚にはほぼ無毒だという。昆虫とか脱皮するやつらにしか効かないので、鳥が薬剤入の水を飲んでも中毒になってしまうということがないからそこら中の水たまりにも撒ける。流れのないところでは1ヶ月以上効き目があるらしい。

これはいい! すぐさま購入だ! ちょっとお高い。いや、高くない! 人類の敵を殲滅できるのだ!

一点だけ疑念がある。記載されている害虫がチョウバエとユスリカだけだ。やぶ蚊が対象になってない。いやいや、やぶ蚊だって脱皮するでしょ。迷うよりは実践だ。


作戦実行


さてこの錠剤、一箇所にだけ使っても意味が無い。発生源となっている一帯で撒かなくては。果たして、やぶ蚊はどのくらいの距離を移動してきてウチの茂みに潜んでいるんだろう。とりあえず、ウチのブロックを取り囲む道路にある排水桝に錠剤を投げ込んでおいてみよう。

ほんの1ブロックといっても、ぐるっとまわると結構ある。排水桝は道の両側にあるんで、20箇所以上に1錠ずつ放り込んでみた。これが4月下旬。毎年、だいたいゴールデンウィーク明けくらいが蚊のシーズンのはじまりだからだ。

戦果は...


なんと、驚くほどの成果! 毎年あれほどうようよといて、集団で人を襲ってきたやぶ蚊がほんの少ししかいない。今年、たまたま出現するのが遅いのではないかとも思ったが、7月上旬の今でも明らかに少ないのだ。もちろん、梅雨にも入ったので近くの排水桝には何回か、そして梅雨の晴れ間にまた1ブロックをぐるっとまわって錠剤を入れてまわった結果である。

やぶ蚊に勝利した! ついに圧倒的な数で住民を脅かしていた、あの凶暴なやぶ蚊に勝ったんだ!

正直これほどまでに効果があるとは思わなかった。すごいぞデミリン。愛おしくなってきたので「デミりん」と呼びかけたいくらいだ。そのまんまだ。

これはぜひ町会で馬込中の排水桝に撒いてほしい。そう、1ヶ月に1回でいい、火の用心の見回り(なんかこのあたりは夏でもやってる)の時に、デミリン持ってあるいて排水桝に投げ入れていけば、馬込からやぶ蚊を殲滅できる気がする。


ちなみに、ボウフラを漢字で書くと孑孒

もうひとつちなみに、こいつ→は若干たよりないぞ。

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