4/28/2010

フロッピーの話 第1話

Sonyが3.5インチのフロッピーディスクの生産を2011年3月で終了するというニュースがあった。コンピューターの進化の速度を考えると、長い寿命であったと言えるのかもしれない。

フロッピーとの初めての出会いはPC-9801用の5インチのものだった。大学のイベント・サークルで知り合いの会社から貸してもらってワープロに使ってたパソコンなのだが、当時のワープロは「松」。「ユーティリティ」というマニュアルに書いてある言葉がわからずに初期化してしまったことを覚えてる。

大学の研究室が鉱物分析装置の制御に使ってたのがDECのコンピューター(PCではなかったと思う)で、そいつは8インチのフロッピーにBASICのプログラムを入れていた。ディスプレイがなくて、「キーボード・プリンター」なるものが入出力用についていて、画面に出力する代わりに紙に文字が打ち出された。入力プロンプトが紙にプリントされるのだ! コマンドも紙にタイプする。タイプミスしたらバックスペースをこれまたタイプする。紙には「\\\\」とプリントされて何文字戻ったかがわかる。それでもパンチカード入力にくらべると格段にインタラクティブ。1985年ごろの話だ。

3.5インチのフロッピーに出会ったのは就職した年、1986年。当時はまだ5インチが主流だった。3.5インチのディスクは2DDが1枚700円〜1000円だったと思う。5インチはいくらだったか覚えてないが格段に安く、3.5インチを使う意味がわからなかった。しかし結局私は、会社の中でもっとも早く3.5インチのフロッピーを使い始めることになる。なぜなら、Mac Plusを買ったからだ。

Mac Plusのフロッピー・ドライブは1機のみ。しかも2DDまでしか使えない。当時、PC-9801は5インチのドライブを2機積んでいて、立ち上げもファイルの記録もフロッピーのみが普通だった。たいてい1枚のフロッピーにMS-DOSと日本語変換FEP、そしてアプリケーションが入っていて、このディスクは挿しっぱなし。2機目の方に保存用のディスクを入れて使う。

Macもフロッピー立ち上げが基本。ドライブ1機でどうするのかと思ったら、こいつ必要に応じて自分でディスクを自動的に吐き出して、交換を求めてくる。PC98がいちいちレバーを上げたり下げたりしてフロッピーの抜き挿しをしなくてはならなかったのに比べ、なんてかっこいいんだ!って思った。自分の意思でフロッピーを出したいときも、画面のフロッピーのアイコンをゴミ箱にドラッグすると自動でMacがフロッピーを吐き出す。吐き出すタイミングで「オエーッ」って声を出すようなソフトまであったり(Mac OS Xに移植されてた!)、フロッピーの取り扱いそれだけでMacを持っている優越感に浸れたものだ。

で、2年もするとPC98でも3.5インチが主流化してくるのだが、そうなるとDOSとMacでデータ交換がしたくなる。ところがMacとPCでは同じ2DDのフロッピーでもフォーマットが異なっていた。PC98では640KBの容量が標準なのに、Macは800KBの容量が確保できた。アメリカのIBM PCは720KBだ。なんでこんなことになってたんだ? たぶん特許の関係だ。いや、Steve Wozniakのせいかもしれない。

...つづく

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