4/28/2010

フロッピーの話 第2話

同じ2DDのフロッピーでも、PC98やIBM PCとMacとでは記録の方式が異なる。レコードとCDほど違うので全く互換性がないという言われ方もしてて、それはちょっと言い過ぎだが、ディスク・ドライブのコントローラーが違うので根の深い非互換性ではある。

Macが採用していたフロッピー・ディスク・コントローラーはIWM(Integrated Woz Machine)というApple II由来のプログラム・チップで、こいつは回転数をコントロールしながらCGR(Group Code Recording)という方式で読み書きするようになっており、その緻密なコントロールのおかげで少々多めの容量が確保できる。DDで400KB、2DDで800KBというのがMacでのフロッピーの容量だ。その名のとおりSteve Wozniakが開発したディスク・ドライブ・コントローラーをワンチップ化したものがMacに採用されたおかげで、Macユーザーは80KBほどの余分な容量を手に入れることができた。その後圧倒的に普及するIBM PCとの互換性の問題が当時それほど深刻ではなかったと言えるだろう。

ところが、IBMやNECが採用しているのは回転数は変化させずにMFM(Modified Frequency Modulation)という方式で読み書きするようになっている。ただし、NECを始めとした国産メーカーが採用した方式では容量が2DDで640KB、IBMが採用したのは2DDで720KBだった。同じMS-DOSを使っていたのに、当時はアメリカと日本ではフロッピーに互換性がなかったというのも驚きだ。データ交換のニーズというのは、それほど大きくなかったのだろう。

3.5インチ・フロッピーが2HD時代になって、MacはApple SuperDriveでMFM方式を採用する。容量は1.44MBでIBMと同じになった。だがPC98のフロッピーにはなぜか1.2MBの容量が採用される。この規格でフォーマットされたフロッピーはMacで読めないばかりかIBM PCでも読めない。ただし、この頃のPC98では2DDは相変わらず640KBが標準だったが、720KBでフォーマットする手立てができたので、異機種間でのデータ交換は720KBの2DDフロッピーが主役となった。アメリカでは2HDのフロッピーがデータ交換の標準だったに違いない。LANがオフィスに導入されるようになる以前、1992年ごろの話だ。それでもMacだけはLocalTalkというLANでファイル共有、プリンタ共有が当たり前だった。

...まだつづく

1 件のコメント:

  1. ふとした検索で拝見しました。これまた懐かしいお話で。
    データ交換のニーズですが、昔からそれなりにありましたよ。
    ただミニフロッピー(5.25インチフロッピー)は、まず8ビットパソコンで普及が進んだために、70年代後半のミニフロッピードライブ誕生の頃からメーカー間の互換性に欠けていましたね。
    そこでデータ交換には8インチフロッピーが多用されました。8インチの特に片面単密フォーマットなら、どんなシステムでも最低限対応しているだろうという前提です。
    多くのコンピュータ・コミュニティでもソフトウェア・ライブラリの配布に用いられていた覚えがあります。これより前だと、さん孔紙テープライブラリでした。

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