10/26/2009

伊藤若冲「動植綵絵」の迫力


10月24日、東京国立博物館で催されている「皇室の名宝」を観に行った。

たいした予備知識もなく漠然と観に行ったのだが、そこで出会った伊藤若冲「動植綵絵」30編に衝撃をうけた。江戸時代中期にして、これは現代でも輝きを全く失わないポップアートだ。実際に目にしてから2日たとうとしているが、その印象が薄れない。目録の印刷を見たが実物の迫力から程遠く、購入する気になれなかった。それでもまたWEBでもう一度画像検索などして見てみるのだが、実物の迫力はまったくキャプチャーされていないので、この感動をどう伝えてよいかわからない。

実に生々しく描写された鳥の羽や足のうろこ、植物の花や葉、毛羽立つ枝につく雪などと、対照的に形式化、単純化された背景の組み合わせ、それに図案化された配置など、これまでに見た事のない世界が一幅一幅の掛け軸に展開されている。

図案的には印刷物でも十分面白い。ポスターとしてもなかなかイカしている。だが、実物の質感は何か神がかっている。30編が一同に会して公開されたのは八十数年ぶりとのことで、たまたまではあったが、こういう機会に遭遇できたことを感謝したい。

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