つくづく、コンピューターは日本人に使いにくいなぁと思った話。TranscendのMP3プレーヤー、M330っていうのを買ってみた。iTunesに入っているアルバムのいくつかをAmadeus Proというサウンド・エディターの変換機能を使ってmp3にしてこのM330にコピーしたところ、まぁ何の問題もなく再生され、再生中のファイル名も表示された、の・だ・が・・・・ 曲のタイトル、アーティスト名、アルバム名が文字化け表示!
ははぁーん、これはID3タグがちゃんとしてないんだな、と思い、ID3タグ編集用のTagr.appってフリーソフトをダウンロードしてきっちりと入れなおしてみた。でも治らない。
mp3ファイルはもともと音楽をMPEG1 Layer 3という形式でエンコードしたサウンド・ファイルだったが、MP3プレーヤーのソフトやハードがどんどん登場して、ファイル交換時に曲名やアーティスト名も一緒に受け渡せるようにフォーマット拡張されたのが"ID3タグ"だ。コンピューターの世界で多国語対応が標準的になったのはWindows 2000、Mac OS Xになってからである。ID3タグが出た段階はまだWindows 98、Mac OS 8の時代、当然日本語のことなんて考えられていない。また、当時のパソコンの日本語コードはShiftJISだ。日本語化といえばShiftJISが採用されるのが自然の流れだった。ちなみにインターネットで使用される日本語コードはいわゆる7bit JIS=ISO 2022JPだった時のことだ。
OSがネイティブに多国語されるのはその数年後、そしてそこで採用されたのはUnicodeである。UnicodeにはUTF-8とUTF-16があるのだが、ID3タグの多国語対応時に採用されたのはまずUTF16で、最新版でようやくUTF8がにも対応した。(ちなみにUTF-32もある。)
しかし、同じ文字を表すのになぜにこうも異なったコードが乱立してしまったんだろう。コンピューターの処理能力とともに歩んで来た歴史の積み重ねというのは重々承知している。だが、英語圏ではこんなにも使い分けやプログラム実装に悩んだりする必要がないことを考えると、日本人はそれだけで重たいハンディを背負っている。
JIS、ShiftJIS、EUCの使い分けがUnicodeの登場で簡単になるのかと思いきや、またもやUTF-8とUTF-16で悩まされるのか。複雑化する一方だ。普段、ユーザーとしてパソコンを使う分にはそれほど気にすることはないにしろ、文字化けなどに遭遇したとき、突然にこのあたりの知識を要求されるのがキツい。
ASCIIを使っている連中は文字化けという現象に無頓着だ。したがって、ID3編集ソフトを作った人も「文字コードの変換」なんて機能は実装してない。Tagr.appがまさにそうだ。OSがサポートしてる文字コードをファイルに書きこめばいいだけなんだから。
で、先のMP3プレーヤーでの文字化けの問題、ID3タグにUTF-8で日本語が書かれていたことで発生していた。この問題を解決できるのは日本人が作ったソフトしかないのはあたり前で、そういうソフトはMac用には見つからず、いろいろ試してようやく"Super TagEditor"というWindows用にたどり着いた。動作がいまいちなんだけど、なんとか無事に文字化けは解消された。
今回の件で、mp3のID3タグのことについて短期集中で勉強した。だが、iTunesとiPodを使っている限りこんなことは知らなくていいことだし、問題は特殊なことをやろうとしない限り顕在化しない。知識はあっても、それが金にならないという典型的なパターンだから悲しい。最終的にブログでぼやくわけだが、これすら時間の浪費でしかない。
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