ホリエモンがいよいよ収監となる事態にあたって、Twitterにつぶやいたことなどをちょっとまとめてみる。
ライブドア事件、霞ヶ関との繋がりのある企業とない企業ととの間で、処罰の不公平感を感じずにはいられないが、実業がないままにあれよあれよと金をぶん回すようになっていった過程は目にあまるところがあった。ライブドアがまだオン・ザ・エッジだった頃から、プレスリリースをこまめに打つ会社だな、と思っていた。確かEudora Proの販売権を獲得したり、売れそうではないけれどよく名の知れた商品を手中に入れていった。Lindowsもそうだ。旧「ライブドア」も商売として破綻してたプロバイダーだった。
とにかく、名前は通っているけど売れてなさそうな商品、どうやって儲けるのかわからないサービス群が揃っていたので、会社としてやっていけてるのか不思議だったが、秘密は株のテクニックにあった。株価は期待値で膨らむものなので、ニッポン放送を買収しようとしたとき、いよいよバブルではなく、本当に儲かるビジネスの「実」の部分が欲しくてしょうがないのだな、と思った。
ライブドアの成長の手法は「金を集めてから実際の商売を整える」という感じに見えた。当時「なるほどなー、確かに金がなければ大きな商売はできないもんな」と感心した。それにしても、特に何もイノベーションがないウェブ制作会社にしては異様な成長ぶりだった。このときの日本の投資家の金の出し方に疑問を持った。アメリカでは金はなくてもユニーク技術やアイディアに投資がされるが、オン・ザ・エッヂにそんなユニークさはなかった。結局、日本の投資家は勝ち馬に乗ろうとする心理だけで金を動かしている印象が大きい。事業の中身なんか関係ない。ホリエモンはそのあたりをよくわかってたんだろう。
ホリエモンはその成功を今も引きずっているように見える。収入は激減してるであろうが今も六本木の高級マンションに住み、Twitterやメルマガで宇宙開発の夢を語るのは、周囲の期待感を金に変えていこうというオン・ザ・エッジ時代と全く同じ手法だ。実情はメール・マガジンや自著の売上でなんとか回しているんだろう。あまり筋の良さそうでないビジネスにも手を染めている。ホリエモンは投資家にとっては株価を吊り上げてくれる装置でしかない。所詮その役割としての「存在」なので、その装置が既存の本物の利権を奪いにかかると、突如国を挙げて潰しにかかる。しかし旧来の利権に属する企業は、同じような不祥事があっても国を挙げて守るのだから、ゆがんだ社会構造である。
ホリエモンがインタビューで「ベンチャーなんてどれも似たようなもんで、どこかいかがわしい部分がある」と言っていたが、そのとおりだろう。社会は「コンプライアンス」を歪めた形で解釈し、新興企業つぶしに悪用してはいまいか。コンプライアンスは本来、霞が関と癒着のある既得権益に対して適用されるべきものだと思うが、逆になっているように思う。
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