1/13/2016

浅草のお座敷で芸者あそびを体験した

お座敷の宴会で芸者を呼ぶなんてことは、庶民にはまったく縁がなくて、むしろ外国人観光客の方がそういうツアーがあったりするんじゃないかと思ってたが、友人が浅草の企画屋さんのチラシを見つけてきて、ひとり2万円で経験できるとのこと。すぐさま妻と二人、10人定員のその催しに応募した。もちろん、誘ってくれた友人夫婦もいっしょ。

2015年12月11日、11名が集まって、浅草割烹福八に向かった。半分以上、女性。4人の芸者さんがお酌をしてくれて、わりと普通な感じで宴会が始まった。

江戸〜明治のお座敷の雰囲気を再現してみようという趣向で、途中からは部屋の電気を全部消してろうそくの灯だけにする。... むむ、料理もなにも見えない。おちょこにお酒をついでもらっても、こぼしそう。昔はこんなに暗かったのか?? いや、ろうそくの位置が低すぎるんだろう。昔の料理はひとりひとりのお膳に出てたんだろうし、ろうそくのほの暗さでも上から照らされれば手元は見えるはず。

ろうそくの光でみると、芸者さんの白塗りが美しい。蛍光灯のもとでは、ただひたすらに白い顔なのが、ろうそくの温かみのあるほの暗さの中では最高に映えて艶っぽい。



お酒がすすんだところで、金屏風の前での唄と踊りを楽しむ。昭和の前半くらいまでの旦那衆は、労働者がうるさい居酒屋で焼酎あおっている間にこういう楽しみ方をしてたんだな。庶民がくだ巻いてそこらにくたばっているころには、ほろ酔いで吉原か。優雅なもんだ。

唄と踊りは4つの江戸端唄。「並木駒形」「辰巳よいとこ」「浅草名物」「騒ぎ」。踊りもよかったけど、紫沙さんの唄と三味線に圧倒されてしまった。... うまい ... かっこいい! その名演をYouTubeで2曲お届けします。



ひとりだけ白塗りしてなかった地方の紫沙さん(下の写真 左)。あとでネットで調べてみたら、この紫沙さん、なんと芸大卒。なんだかいろんな肩書きももっている凄腕アーティストで、すっかり魅了されました。




歌と踊りを堪能したあとは、芸者さんとお遊び。「こんぴらふねふね」にあわせて、托子を取り合い、負けたほうが一杯飲む。友人は2秒で負けてたな。芸者さんは熟練してるんで、単純なゲームでありながら全く勝てない。

そのあとは、新婚夫婦がいちゃいちゃする小芝居「新所帯」。これを夫婦でやらされる。男だけの宴会だと妻役を芸者さんがやるんだろうけど。なんだか、型にはまったものなんだけど、たまらなく楽しい。

新所帯
馴れぬ竈に生薪くべて
『煙いなぁ』
『だって燃えないんですもの』
叱らず教えて アラ 頂戴な
ほんにまた あなたは罪な人



なんやかや、酔って大笑いして盛り上がって、あっという間に2時間。おひらきとなりました。裕福な商家の旦那になりたいなぁ。

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